意外なことに若者は現金派が多い!キャッシュレス決済が敬遠される理由とは?
時代の変化に敏感な若者のほとんどはキャッシュレス決済を活用しているように思えますが、実際はその逆で現金主義が多数派です。SHIBUYA109 labによると大学生・専門学生の8割が支払いに現金を使っています。
そこで今回は、なぜ若者がキャッシュレス決済を避けて現金主義を続けているのか、その理由について取り上げます。背景には冷静で慎重な今どきの若者心理がありました。詳しく見ていきましょう。
現金なら個人情報が流出する心配がない
若者が現金を利用する理由でもっとも多いのがセキュリティの問題です。現金は支払いの際に硬貨や紙幣を渡すだけですから情報漏洩のリスクがありません。
キャッシュレス決済はポイントやクーポンなど魅力的な特典が豊富ですが、決済にインターネットを利用するため氏名や住所といった個人情報が流出してしまう可能性があります。
また、知らないところで決済システムの穴を突かれて、自分銀行口座から現金が抜き取られる被害も発生しています。
今の若者はリスク管理には慎重なところがあって、少しお得になる程度なら安全性を重視します。最も安全な支払い方法である現金が好まれるのも当然と言えます。
インターネットがダウンしても使える
ピッとレジでスキャンするだけで小銭のやり取りから解放されるキャッシュレス決済。しかし、インターネット設備の不調や、サーバーダウンが起きると途端に使えなくなります。
どんなに便利な道具でも機能しなければ意味はありません。支払いできない決済も無用の長物でしょう。
現金ならインターネットが完全にダウンしても、いつもどおりに利用できます。地震が起きて通信システムが複数の断線で不通になっても平気です。
子供の頃に東北大震災を経験した今の若者は震災に備える意識が高いです。現金はそんな彼らの安心安全を求める心に響くのでしょう。
間違いなくどこでも使える
現金は日本全国どこでも利用できます。支払いが要求されるシーンで現金が使えない場面は滅多にありません。
一方、キャッシュレス決済は店舗によって使えたり、使えなかったりします。2018年頃から決済システムが一気に増えたために、どの決済サービスがどこで利用できるのか非常に分かりずらいです。
会計でキャッシュレス決済を提示したら「それには対応できません」と店員に言われ、仕方なく現金で支払った経験がある人も多いでしょう。
現金は確実に利用できますから会計で店員に追い返される心配は無用です。
この特徴も安全安心を求める若者に評価されています。
使いすぎる心配がない
老若男女問わず現金を好む理由としてよく聞かれるのが「お金を使いすぎる心配が無いから」という意見です。なかには財布にお金があると使ってしまう人もいますが、多くの人は財布のお金が減ってくると出費を抑えるなど節約マインドが高まります。
キャッシュレス決済も新しいものはアプリを使ってすぐに現在の利用状況が確認できます。いくら利用したのか、先月はいくら使ったのかなど自分の買い物の詳細を確認可能です。
それでも財布からお金が減っていくインパクトには到底かないません。強力に節約マインドを強化し、無駄使いを抑止するのは支払いに現金を使ったときです。
現代の若者は30年前に比べて自由にできるお金が少ないと言われています。そんな彼らの経済防衛手段として現金が強い味方になっているのは間違いないでしょう。
若者に現金派が多いのはリスク社会で堅実に生活するため
若者に現金派が多い理由を調べると、若者なりに不透明な世の中を効率的に生きようとしている姿が見えてきます。
お得に見えてもセキュリティ問題を起こして口座からお金が盗られてはたまりません。若者はそういったキャッシュレス決済がらみのリスクを鋭敏に察して、現金で対策しようとしています。
決済方法をひとつずつ吟味するよりリスクゼロの現金を使った方が確実だと分かっているのでしょう。安易に最新技術に踊らされず堅実な道を行く日本の若者は、なんとも頼もしいです。